辻村深月『サクラ咲く』

底抜けに明るすぎました。


小学生や中学生が読めばわりと楽しめるのかもしれませんが、曲がりなりにもそこを経験した者としては「つまらない」が正直な感想でした。(進研ゼミの中学生向けに書かれたから、「学校ってこんなにも楽しいものなんですよ」って書かないといけなかったのかもしれないけど)。


内容としては、朋彦やマチの内面の葛藤があっけないし、周囲の人たちの物わかりがよすぎますね。


というわけで、ぼくみたいに性格のひん曲がっている人(笑)は読むと、突っ込みたくなってしまう要素満載です。


でも、最後の短編に本書中の前二作の人々がさりげなく出てくるのはなんかとても嬉しかったです。

小説で区切られたその物語は"本"としては終わりなんだけれど、実際には人生はまだまだ続くんだよっていうのが感じられたので(そういう意味では、進研ゼミはここに綴じられた物語を毎年学年が上がるごとに掲載していくべきだったと思うな~。そんなだったら「うおおっ!やるじゃん!」って感動したわ)。