2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』(河出文庫)

ぼく、という意識。 あなた、という意識。 それはいったい何であろうか。 それは現実なのか、それとも夢なのか。 いや、そもそもとして現実とはいったい何なのか。 ぼくは世界から遮断された狭いベッドの上で、一人たたずむ。 と、夜、就寝前の読書をしてい…

法条遥『忘却のレーテ』(新潮文庫nex)

わたしの今までの物語を、忘れてしまう物語。 昨日「おやすみ」と言った人にも、 今日、目覚めれば「はじめまして」。 大学生の唯は両親を亡くした。それも、つい最近のこと。 父が役員を務め、母が寿退社した「オリンポス」という 製薬会社での式典に二人が…

辻村深月『サクラ咲く』

底抜けに明るすぎました。 小学生や中学生が読めばわりと楽しめるのかもしれませんが、曲がりなりにもそこを経験した者としては「つまらない」が正直な感想でした。(進研ゼミの中学生向けに書かれたから、「学校ってこんなにも楽しいものなんですよ」って書…